ドイツ出身のジルサンダー氏が自身の名前を起用して立ち上げたブランドが、世界的にも有名なファッションブランド「ジルサンダー(JIL SANDER)」です。設立は1968年。前進のブティック店オープンから、わずか1年後のことです。現在ではジルサンダー ネイビーなど、カジュアルラインですら高い評価を得ているジルサンダー。しかし設立当初は、あまり世間からの評判も良くありませんでした。1973年に進出したパリプレタポルテ・コレクションでは総すかんを喰らい、撤退という決断まで下した過去すらあるのです。
しかし1985年に参加したミラノコレクションを皮切りに、メンズコレクションの発表など名実ともにドイツのトップブランドという地位を獲得していくのです。2000年に創業者のジルサンダー氏は一時経営から離れますが、2003年に復帰。復帰と同時に新作を手掛け発表するなど、年齢とは裏腹に1人のデザイナーとして作品を次々に残していくのです。
卓越した縫製技術がジルサンダーの最大の魅力です。ニットやワンピース、コート、シャツなど取り扱い範囲は広く、コラボ作品も多く発表しています。日本国内ではユニクロとのコラボが有名でしょう。また服飾の他にも人気の高いアイテムは数多くあります。例えば爆発的な大ヒットを見せている「ペーパーバック(紙袋)」がそうです。たかが紙袋ではありますが、2万円を超える値段で販売されており、それが完売し続けているのです。2014年にジル・サンダー氏がクリエイティブ・ディレクターを辞任し、その後をロドルフォ・パリアルンガ氏が就任。これからの動向に注目です。