エイプ(A BATHING APE)は日本人デザイナーのNIGO(本名:長尾智明)が、1993年に設立したストリートファッションブランドです。胸元や裏地に「AAPE」という文字が印字されているアイテムがあります。パーカーやTシャツ、靴、バッグ、キャップと取り扱い商品の幅は広く、またカジュアルラインということでお値段も非常にお手頃です。人気の迷彩柄長袖パーカーは1万円もしません。つまり全身をエイプ一色でコーディネートしても、5万円とかからないのです。
初期デザインが「猿の惑星」をモチーフにしていたエイプ。これは正式名称の「A BATHING APE」が「ぬるま湯に浸かった猿」という意味に起因しているのでしょう。発表されるアイテムの多くはアングラ色が強く、裏原宿ブランドの一角と表現されることもあります。1990年代は裏原宿系ファッションのブームが巻き起こり、エイプもコアなファンを次々に獲得していくのです。
またエイプが大ブレイクしたキッカケには芸能人の木村拓哉さんが大きく貢献しています。というのも1996年に放送されていたCMで、木村拓哉さんが「APE スノボJKT」を着用していたのです。このCMが放送されてから、エイプはオシャレな男性の着るカジュアルファッションブランドとして定着していきます。その後も木村拓哉さんはドラマ「HERO」にて、APE シープスキンレザーダウンジャケットを着ています。HEROを視聴したことのある人であれば誰もが知っている、あの茶色いダウンジャケットです。2012年からはヤングラインを展開し、創業者のNIGOはユニクロUTのクリエイティブ・ディレクターに就任するなど活発的な動きを見せています。